<レポート>東南アジアのお菓子とお茶を楽しむ会 2 ー アジアの砂糖味くらべ

おちゃ道具ツチキリ×KOELのコラボWS、「東南アジアのお菓子とお茶を楽しむ会」第2弾。今回は、アジアのお砂糖・味くらべ編。「え、砂糖の味くらべ・・?聞いたことない」という微妙な反応を数人にいただき、かなり特殊なワークショップなのかもしれないことに気づく。でも、あとには引けない。砂糖の味の幅広さと奥深さを知ってしまったから。
ヒントをいただいたのは、作家である高橋久美子さんの連載エッセイ。「愛媛で黒糖を作っている」とあり、しかも販売までしているという。江戸末期に始まった愛媛のサトウキビ栽培、一時期途絶えていたが、ここ十数年の間に少しずつ復興しているという。黒糖と言えば沖縄か鹿児島、と思い込んでいたのでとても驚き、小さな畑でていねいに作られている愛媛の黒糖をぜひ食べてみたいと思った。サイトをのぞくと「1年生」「6年生」「メルティ」「ビター」など、サトウキビの生育年数や煮詰め方が異なる黒糖を食べ比べられるセットがある。

これがもう、黒糖のイメージを塗り替える味だった。ほんのり酸味があったり。サツマイモのようなほっこりした甘さだったり。お砂糖は一種のフルーツなんだ!と実感。この味の違い、いったいどこから生まれるのだろう?
サトウキビの収穫は冬。その間に愛媛、あるいは沖縄や鹿児島で黒糖作りを体験できないだろうか?と考えるうち、3月にインドネシアに行く予定があることを思い出す。幸運も重なり、ジャワ島ボロブドゥールの小さな工房でココナッツヤシ砂糖作りを見せてもらうことに(詳細レポートはこちら)。

さて、ワークショップ。まずは、砂糖の味の違いを、東南アジアの伝統菓子「クエ(Kueh)」で体感してもらう。「クエ・タラム」はヤシ砂糖とサトウキビの砂糖を混ぜるレシピが多いが、今回はあえてココナッツヤシ砂糖のみで。「クエ・コスイ」のほうは熊本の黒糖だけ。どちらもココナッツとでんぷん、パンダンリーフなど、同じような材料を使うのだが、食感はかなり違う。

トークはサトウキビの歴史からスタート。サトウキビの原産はアジア、今のところニューギニア説が有力。なのに、プランテーションはカリブと南米。東南アジアにゴムやアブラヤシが持ち込まれたのとはちょうど逆。農作物の分布は生態系より経済優先なのだということがよく分かる。時は大航海時代。サトウキビの砂糖を知ることはこの時代の歴史を知ることででもある。そこにはおのずと、もうひとつのテーマである「お茶」がからんでくるわけで。対するヤシ砂糖からは、その土地で暮らす人々の生活や料理がみえてくる。そしてサトウキビも、黒糖はその土地の個性が垣間見られておもしろい。そんな話をしながら、参加者のかたの体験談などもうかがう。

そして、お茶道具ツチキリの高木さんが、砂糖の産地に合わせて用意してくれたインドネシアとスリランカの紅茶とともに、砂糖味くらべ。ありがたいことにかなり盛り上がる。「ミルキーでおいしい!」「ちょっとスモーキー」「八丁味噌みたい」「砂糖に酸味や塩味を感じるなんて」。それぞれの反応が本当に楽しい。さいごにいちばん気に入った砂糖をあげてもらったのだが、けっこう分かれたのが印象的。材料の違い、煮詰めテクニックの違い、その土地や国の好み、あるいは季節や環境で味が違ってくるところは、まるで野菜か果物のようだ。そんな感想を共有できてうれしい。最初はどうなることかと思ったけれど、こんなニッチなワークショップ(だからこそ?)も楽しんでくれる人がいることが分かり、仲間が増えた気分!
(Text by Keiko Takashima)
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