2018-06-20

<レポート> アジア料理とうつわ vol.1 インド編 

ステンレスのインド食器を、他の素材に置き換えてみたら? KOELの初イベントはそんな「実験」からスタート。

今回の主役は、インドのステンレス食器をかたどった「陶磁器カトリ&ターリー」。京都の料理家shiiboさんがご自身のために作っている食器を分けていただいたものだ。インドのステンレス食器そのものの形・薄さが新鮮で、いわゆる和食器とはまた違うおもしろさを感じる。

マンガン釉を用いた金属質な風合い。
カトリは薄さも重さもちょうどステンレスと同じくらいだが、磁器なので案外丈夫。

当日販売に協力していただいたアジアハンターさんの食器と並べてみると、こんな感じ。

千歳烏山ハバチャルさんがこの日のために作ってくれたお料理、最高!それぞれの文化的背景に思いを馳せながらおいしいお料理を……なんて提案しながら、私たちスタッフは紙皿で早食いだったのが悔やまれるところ。いつかハバチャルさんにお料理を再現してもらおう!とひそかに誓う。

<当日のメニュー>
天然スズキのカレー
ココナッツダール 焼きナス入り
オクラのトーレン
パチャディ(ヨーグルトサラダ)
アチャール四種(イワシ、チェリートマト、レモン、タコ)
国産インディカ米
パパド

うつしたり、みたてたり、そんな遊びをインド料理でやってみよう、というのが今回のテーマのひとつ。和食器をカトリ&ターリーに見立てて使うのは新しいことでもなんでもなくて、むしろステンレスのインド食器を使うより手っ取り早いかもしれない。大皿はたいていの家にあるし、そば猪口とか大きめのぐいのみとか、カトリ代わりになる器もたくさんある。でも、簡単だけど意外に奥が深い。やってみるといろいろな気づきがある。

当日はみたてのうつわも展示。
左:越前の武曽健一さんの印花猪口。ご縁あって、本駒込のspice bar コザブロさんにご提案。
右上:漆を使った釉薬の上にさらに錫をまいて焼成した大浦裕記さんのうつわ。
右下:骨董の猪口と合わせるのも案外楽しい。
市川孝さんの器で遊ぶ。インドの鍋のようなかたちの白磁のうつわにビリヤニ。
ライタを入れたうつわはチャイカップにも似て。

入れ子のカトリをずっと見ていると、なんだかお坊さんが托鉢に使う器にも見えてくる。仏教はインド生まれだし、そもそも鉢が金偏なのも鉢多羅(サンスクリットのパートラの音訳)だというし、きっとどこかでつながっているに違いない!……などなど、準備をしながらスタッフと大妄想大会。こういうのがたまらなく楽しい。

インド食器と応量器(持鉢)は上から見るとそっくり。
漆の応量器もカレーを入れるとカトリに見えてくる(かも)

ところで、インドではステンレスの食器を使うけれど、日本のうつわは土や石が主。でも、むかしむかしはインドだって日本だって葉っぱだとか木だとか、そういうものが器だったに違いない。

運天達也さんの木の皿。カレーリーフ代わりにギボウシ。

KOELの「アジア料理とうつわ」イベントは、あれこれ趣向を変えながら(のんびりペースで)アジア料理をぐるりとひとまわりする予定。

Text by Takashima Keiko

 

アジア料理とうつわ vol.1 〜インド編 2018.6.16

 料理:ハバチャル 飯塚俊太郎 
会場:racoon 
協力:アジアハンター(インド食器販売)、有馬奈保美(イラストレーター) 
主催:KOEL (Kurihara, Kidokoro, Takashima)

 

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