2019-03-11

<レポート>アジア料理と日本の調理器具〜パニプリ作りを楽しもう!

パニプリを初めて目にしたとき、まるで食べるうつわのよう!と思ったのが、このイベントのそもそもの始まりかもしれない。つまりは、何年も温めていた企画。それを一気にかたちにすることができたのは、「だいどこ道具ツチキリ」さんと、basisAの海崎都美さんのおかげだ。
「料理教室を開催してみたい」というツチキリさんをアジアごはんの世界に引きずり込もうとしていたころ、代々木上原のcafe room basisAが惜しまれつつ閉店。その滑り込みディナーで心を奪われるパニプリ(ダヒプリ)に出合った。

cafe room basisAの実店舗でいただいたダヒプリ。
おいしすぎて、気がついたら他の人の分まで食べていた・・

パニプリ(ゴールガッパと呼ばれることも)は、セモリナ粉を使った生地を一口サイズにぱりっと揚げ、中にじゃがいもや豆などのフィリングを詰め、「パニ」(ヒンディー語で「水」の意味)と呼ばれる液体を注いでぱくっと一口で食べる、インドの軽食。「パニ」ではなく、ヨーグルト仕上げになっているのが「ダヒプリ」(ダヒ=ヨーグルト)だ。

初めて食べたパニプリ。じつは機内食である。こちらも「パニ」ではなく「ダヒ」仕立て、しかも皮付きの緑豆にサラダ野菜・・と、かなりアレンジされている。

今回の料理教室、場所がだいどこ道具ツチキリさんのキッチンなので、才色兼備の調理器具がずらり。スポンジひとつとっても美しい、それでいて、どうだ!という威圧感もなく、誰にとっても使いやすい、まさに理想の台所。最初は尻込みしていた人も「あ、その道具使ってみたい」と、じわじわ輪が広がって行く。

沖縄の道具、しりしり。海崎さんのデモンストレーションからスタート。
この道具のおかげで、じゃがいもの皮むきに夢中になった人も。
手作り生地は揚げ方が難しい。みんな真剣。

ていねいに作り上げたフィリングの数々、2種のパニ。そしてプーリは市販品と手作りの生地の揚げ比べ。気軽なスナックであるパニプリも、作るとなるとなかなかに手強い。

いよいよ試食。最初は大口で頬張るのをためらったり、口内で弾ける酸・甘・辛にびっくりする方も。でも、3つ目を食べ終わるころには「いくらでも食べられる!」の声続々。山のように揚げたプーリもあっという間になくなり、かわりに参加者の笑顔、笑顔。食後の語らいにはスタッフも参加させていただき、しばしおしゃべり。参加者のパニプリ屋台体験談、好きなうつわ談義、キッチンの工夫などなど、話は果てしなく広がる。中でも興味深かったのは、海崎さんの「だしを使った和風パニプリ」のお話。パニプリというのはなかなかにポテンシャルの高い食べ物である。

KOELが持ち込んだ器を選んでもらい、できあがったパニプリを盛りつける。フィリングを詰め、パニを注ぎ、一口でぱくり。
KOELが持ち込んだ器を選んでもらい、できあがったパニプリを盛りつける。
フィリングを詰め、パニを注ぎ、一口でぱくり。

さて、「アジア料理と日本の調理器具」ということで、KOELは今回、道具と食器の間にあるうつわをご用意。福井県の三国に陶房を構えるタナカマナブさんにお願いして、抜群のキレのよさとサイズ感のピッチャーを人数分作っていただいた。

才色兼備のピッチャー。うっかりテーブルにこぼす心配のないキレのよさが魅力。
少量の醤油や酢、ナンプラーなどをテーブルに出すときにも重宝する。

インドの屋台のようにカジュアルに楽しむパニプリも魅力的だが、もう少しスマートに食べたいときには、こんな小道具がぴったりだと思う。

会の前後には、KOEL仲間がバンガロールで撮影してきてくれた屋台やカフェのパニプリ映像や、最近の進化形パニプリ、そしてインド映画まで、パニプリ愛をたっぷり紹介。お店の片隅に展示したアジアの調理器具にも興味を持ってくださる方が多かったので、今後はもっと真剣に道具探しをしようと決心(道具の一部はInstagramでも紹介中)。

道具には知恵と文化がつまっている。

調理器具も、うつわと同じくらい楽しい。「アジア料理と調理器具」イベントも定番化していくかも?

(Text by Takashima)

アジア料理と調理器具〜パニプリ作りを楽しもう! 2019.4.19-20 

日本の道具&器でインド料理!KOEL×だいどこ道具ツチキリでお届けする、2日間限定の料理教室。 
講師: cafe room basisA 海崎都美 
場所: だいどこ道具ツチキリ  
主催: KOEL


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